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【声明文】安全保障関連法案に強く反対し、廃案を求めます

声明文

江戸川子どもおんぶずは安全保障関連法案に強く反対し、廃案を求めます

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(全文は続きを参照)

≪声明文≫
江戸川子どもおんぶずは安全保障関連法案に強く反対し、廃案を求めます
 
 子どもは、固有の権利を持ち、守られ、認められ、参加しながら、成長発達します。それは平和で安全な社会が支えます。
 
 今回の安全保障関連法案は、憲法のみならず、国連子どもの権利条約に照らして見ても、政府が子どもの最善の利益を求めて取るべき措置とは明らかに相反します。
 
 私たち江戸川子どもおんぶずは、安全保障関連法案に強く反対し、廃案を求めます。
 

* * * * * *

 
 私たち江戸川子どもおんぶずは、国連子どもの権利条約を地域に活かすことを目的として、子どもの「声が聴かれる権利」、「表現の自由」、また「情報及び資料へのアクセス」の保障のための活動に取り組んできました。その立場と経験から、現在政府与党によって推し進められている安全保障関連法案(注1)に、強く遺憾の意を表します。
 
 子どもの権利条約とは、1989年11月20日に国連総会によって全会一致で採択された国際条約です。日本政府は1994年4月22日に批准を果たしており、現在では国連の条約の中でももっとも多くの賛同を得ている条約となっています(注2)
 本条約において注目されるのは、その制定背景です。草案は、1978年、ポーランド政府によって出されました。第1次世界大戦においても、そして第2次世界大戦においてはさらに筆舌に尽くし難いほどの甚大な被害を「子どもたち」にもたらした経験を負う国として、ポーランドは、世界の状況を変革するための行動をします。それが、この草案提出でした(注3)
 
 そのような経緯をもって制定された子どもの権利条約は、その前文に「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎を成す」(以下すべて1994年外務省訳「児童の権利に関する条約」による)との国際連合憲章の原則をひき、子どもが「社会において個人として生活するために十分な準備が整えられるべきであり、かつ、国際連合憲章において宣明された理想の精神並びに特に平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯の精神に従って育てられるべき」と述べ、締約国に対し、子どもの「生命に対する固有の権利」を認め(第6条)、「生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する」よう求め(同条)、あらゆる子どもの権利の実現のために「すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる」こと(第4条)、およびその際において子どもの「最善の利益」を第一義的に考慮するよう求めています(第3条)。そして、子どもに「影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保」し、この意見はふさわしい形で「考慮されるもの」とせよと謳っています(第12条)。
 
 もとより子どもの生存と健やかな成長にとって、子どもが育つ社会の「平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯」が不可欠であることは言うまでもありません。日本においてそれは、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権」「平和主義」の原則のもと、法制度・社会制度の整備によって保証されるべきものです。
 
 しかるにこの安全保障関連法案は、多くの憲法学者が違憲性を認めたものであり、最高法規たる憲法・その下にある諸法の定めにもとづいて政治が行われるという立憲主義・法治主義から明らかに逸脱しています。時の政府の恣意によって憲法の規範がないがしろにされることは、平和や安全保障の分野にとどまらず、社会のあらゆる分野での恣意的な権力の暴走への歯止めがなくなることであり、子どもの権利保障の観点から看過できません。
 
 またこれら法案の示す方向は、他国が行う戦闘行為に自衛隊が参加することを認める、すなわち海外で行われる戦闘に日本が参加する道を開くことにほかなりません。そして現に、日本が同盟国として後方支援を実施している米国は、必然的あるいは意図的に、多数の子どもの犠牲をもたらす攻撃を行ってきました。
 世界の各地で行われてきた戦争の中で家族を失い、自らも生命の危険に晒され、外傷や疾病に苦しみ、あるいは難民となり、または兵士として動員され、その生存の権利を脅かされる多くの子どもたちの存在を考えるとき、こうした戦争行為に加わるのではなく、紛争の平和的解決に向けてイニシアチブをとることこそが、ポーランドが子どもの権利条約の草案提出をもって示したように、平和主義を掲げる憲法を持つ日本の役割であるべきと考えます。
 
 さらに現在これらの法案の審議は、多くの法案を一括審議し、十分な審議を尽くさぬまま議席数の力で採決に持ち込むという、国民の代表たる国会の役割をないがしろにしたやり方で強行されています。このような手法は国民主権・民主主義に反するものであり、子どもを含む市民の「平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯」の観点からも許容できません。同時に子どもの権利条約を批准する国家として、将来に渡って大きな影響を生み出すこの審議に、次の社会を担う子どもが参加する場が確保されず、また各地で自らをもって表明されている声にすら耳を傾けることなく、さらには疑問と勇気を持って意見を表明する子ども・若者たちを貶めてその声を封じ込め、このように強行されることは到底是認できるものではありません。
 
 子どもの権利条約が採択された1989年の国連決議文は、すべての国に対し、平和と安全の中で、特別な保護と継続的な改善をもって、あらゆる子どもの権利を保障するよう呼びかけています(注4)
 この呼びかけに応える政府であり続けてほしい。平和や安全は、いかなる武力、暴力、紛争そして虐待の中には存在しません。武力、暴力、紛争、虐待から解放され、かつ、どんな犠牲も払わない、平和への権利を求める行動を起こすことを、日本政府に要求します。
 私たち江戸川子どもおんぶずは、安全保障関連法案に強く反対し、廃案を求めます。
 
 
 
(注1) 武力攻撃事態法、周辺事態法、自衛隊法、国連PKO法など10の法律の改定と、国際平和支援法の新設。
(注2) アメリカを除く195の国が批准。UN Treaty Collection
(注3) Adam Lopatka, Introduction., OHCHR, Legislative History of the Convention on the rights of the child. 2007
(注4) A/RES/44/25
 
 
2015年9月3日
江戸川子どもおんぶず
代表 大河内秀人

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